てのひらの空

夕焼け

涼しくなった風の中で
もみじは自分の色を 精一杯 輝かせていました
だんだんと色あせてきても
残された自分の色を 精一杯 輝かせていました

やがて 風は冷たくなり
もみじは落葉となって 土に帰っていきました

それでも その色だけは消えることなく
風に乗って 舞い上がり
空に溶けていったのです

夕焼けは 葉のない木々を包むように
紅く紅く 染まりました