てのひらの空

マリオネット

ボクはもう、いいんだ
埃もかぶっているし
右足から伸びた糸は切れそうだし

ボクはもう、いいんだ
歩くことはないだろうし
青い風を感じることもないだろうし

それなのに
誰かが糸に触れるたび
胸が高鳴る
誰かと目が合うだけで
胸が高鳴る
また
子供達のあの笑顔を見れるんじゃないかって
そう思うと胸が高鳴る

ボクはまだ、期待してるのかもしれない
きっとみんなから忘れられているのに
いつか捨てられてしまうのに

ボクはまだ、期待してるのかもしれない
自分を諦めることは
希望を持ち続けるより難しいのかもしれない